こんにちは。

まるよし刃物・東京、ワタナベです。

2003年から刃物業界にお世話になり、
現在もプロ用包丁の販売を生業としています。

よく「家がが包丁屋さんだったの?」と聞かれますが、
私の実家は縫製業で、両親は婦人服の仕立て職人でした。

共通点といえば、裁ちばさみや裁断包丁などが
仕事場にたくさんある中で育ったことでしょうか。

まさか自分が包丁屋になるとは夢にも思っていませんでした。

きっかけは、とある割烹料理店の親方に、
「おまえ、広告売るより包丁売る方があってるよ」
と言われたひとことです。

当時のわたしは、小さな出版社の広告営業の仕事をしていたのですが、
飲食店のお客様が多く、このお店も担当先のひとつでした。

でもその時は、ぜんぜんピンと来ず。

その後しばらくたって、実家の母の介護で、
サラリーマンが続けられなくなるということがあって、
時間が比較的自由になる仕事を探していたときに、
ふと、この親方の言葉を思い出したのです。

そして、包丁屋を紹介してもらい、刃物業界に入りました。

職人の家に生まれ、ミシンの音がある生活の中で育ち、
「町工場」的な職業観が染み込んでいるので、

包丁職人と料理職人の間に入る包丁屋の仕事は、
どこか馴染み深くもありました。
しかし、包丁に関しては何も知らない所からのスタートです。

見本の包丁を何本かケースに入れて、
毎日何軒も飛び込み営業をしていく中で、
包丁を買ってくださるお店ができました。
そこでたくさんの料理人さんに出会い、
包丁のことや和食のこと、料理の世界のことなどを教えてもらいました。
料理長さんたちから、たくさんのご紹介もいただきました。

また、仕入れをお世話してくれた
「まるよし刃物」の吉田社長には、
包丁の販売方法や商品についての知識の他にも、
仕事に対しての態度や人生訓など、
本当にたくさんのサポートをいただきました。
そして現在に至っております。

2020年、もうすぐ20年の節目を目前にして、
包丁の販売のお仕事とは別に、
日本料理の魅力や、和包丁の世界、職人さんの今を紹介したいと、
「弁慶刃物研究所」のサイトを立ち上げることにしました。

料理の世界に入ったばかりの新人さんや、
プロ用の和包丁について興味のある方や、
食べることが大好きな方に向けて、

●料理関係のニュースやイベント
●日本料理の奥深い世界
●職人さんたちの等身大の声

などをお届けできたらと考えています。

のんびりな性格なもので、
少しずつ、楽しみながら作り上げる形になりますが、
どうぞよろしくお願いいたします。

2020年5月5日 渡辺恵子